



たむらしげるさんとコラボレーション3部作
「銀河の魚」 「ファンタスマゴリア」 「クジラの跳躍」
プロデュース・演出
たむらさんは私が学生時代から「ガロ」であこがれの存在。1987年に私が押しかけてお願いした「みんなのうた」が最初の仕事でした。そのあと、まずたむらさんがMacⅡを購入。当時「ビデオワークス(後のマクロメディア・ディレクター)」でアニメーションを動かしたのを見て、すぐ購入。でもそのころ8MBメモリーのシステムで150万円ぐらいしたような記憶が。早速Macでたむらさんと自主制作アニメーション「クリスタリゼーション」を作り、フランスの賞を受賞。そのあと「銀河の魚」が始まる。
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当時のCBS Sonyの映像部署にMacをかついで行ったとき、「どうやって動いているんだ?」⇔「メモリーに展開しています」という問答で先に進まなかったのを覚えている。
1992年から始まった「銀河の魚」はハイビジョンということが条件だったので、大変だった。当時の用賀の事務所に4台の馬鹿でかい、馬鹿重いマスターモニターが来て、そのうちの1台は入りきれず、玄関で作業している人も。制作は丸1年かかり、ようやく終わりが見えてきたころ、Macからハイビジョンテープに書き出すシステムが存在しないことに気が付き、すっごい手作業で、一枚一枚静止画をメモリーに移しながら16枚溜まってははテープに録画するという作業を延々やったのを、コンビニのクリームパンと一緒に覚えています。
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次に「ファンタスマゴリア」でCD-ROMに挑戦。今になって思えば、よくもまあ、マクロメディアディレクターのスクリプトをあんなに書いたもんだと。テクニカルの人がちゃんと居たからこそだけどね。このころは、1作品終わると1ヶ月ぐらい事務所に誰もきません。灰となるまで作っていたのでした。
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3部作最後は「クジラの跳躍」。時代はマルチメディアバブル。事務所も広いところに越して、Macもずらり。スタッフもバイトの人もいれると30名はいましたか。これも混迷に混迷を重ねて、やっと1998年に劇場公開へとこぎつけたのでした。